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こないだ素敵な本屋さんに行った足で
たまたま入った喫茶店がこれまた素敵なお店だったお話しです。
お客様でいっぱいの店内に入ってみたら、お店の方が
「カウンターしか空いてないですがいいですか」
と申し訳なさそうに言われ、
ちらと見てカウンターも充分素敵そうと思ったので
「ハイ」と言って座ったのです。
そしていそいそと、さっき買った本や持ってきたレターセットや筆箱なんかを並べて
さあ、私のいちばん好きな時間が始まるぞ!
と思いながら、カウンターの中でてきぱき働く人を眺めていたら
さっきの女の人が
「こちら空きましたのでどうぞ」
と二人がけの席をそっと勧めてくれました。
それで、あれ〜カウンターでもいいのになあと思いつつ
ありがとうと言って移動して座ってみたら
あ〜こっちの席の方がさらによかった・・
と言うことになりました。
それで、至福の時間をいよいよ始めようとしたのですが
いかんともしがたい眠気が襲ってきて
どないもこないも・・みたいになってしまいました。
せっかく落ち着ける喫茶店に来れたのに〜
眠くてだるくてたまらない〜
眠い頭で考えるに
これは気管支炎の薬の副作用だナ!と気づきました。
そういえば病院で薬を処方してもらうたびに
「眠気とかは大丈夫ですか?」と聞かれて
「ハイ!全然」
と元気に答えていたけれど
これがその、眠気か〜・・(がびーん)
でもどうしてもこの素敵な空間で素敵な時間を過ごしたかったので
めっちゃがんばったのですが
結局がんばっただけの時間になってしまいました。
お店の人から見たら
あの人、一時間以上も半目でうつらうつらしているよ・・と言う光景だったと思います。
それで、こりゃだめだ、今日は帰ろうと思い
お会計をして扉を閉めるときにもう一度
「良いお店だったなあ」とお店の中を見たのです。
そしたらお店のお二人(ご夫婦ぽい)が揃ってこちらを見送ってくれていました。
それで、この光景なんか見たことあるぞ・・
あっ私の好きなカレーのチロルさんに似ている!
と思ったのです。
チロルさんも、忙しくても必ず二人で
お客さんがお店から見えなくなるまで見送られるような雰囲気があって
テーブルをさーっと片付けるような雰囲気はなかったなあ。
いつも最大の笑顔で見送られるので
例えば自分に突然事故とかがあって
「思えばチロルさんに会えたのもあれが最後だったよ」
みたいなことになっても思い残すことがないくらいだよなあ、
と大げさな例えを想像してしまいます。
良いお店の人は「人生は一期一会だ」と言うことをよく分かっていて
毎日いろんなお客様を迎えては送り出しているのかもしれないなあ。
そんなことを、寒さで一気に眠気が覚めた頭で考えながら
てくてく帰りましたとさ。